金色・銀色王子さま
信じらんない片桐…。
麻衣が呆れてるとあくびをした涙目で龍之介は言う。
「でも、楽しめた?映画」
「えっ?あ、あーうんっ!かなり!」
「ん、ならいい」
「“ならいい”、って…」
……え?もしかして…私のために…?
わざと、面白い映画を選んで無理矢理でも連れてってくれたの?
「なぁ、さっきチケット買ったサービスで下のUFOキャッチャー一回無料券もらったんだけど」
「…………」
「おい、聞いてんのかよ?」
「あ、う、うん…」
どうしよう…
私のためだったら…すごく…嬉しいんだけど…
前を歩く龍之介の背中に隠れながら、こっそり火照る頬に手のひらを当てた。
エスカレータを下りて、UFOキャッチャーのコーナーに入った。少し薄暗くてガヤガヤしてるから、今の状態を紛らわすには丁度いい。
おまけに目の前には、好きなキャラのぬいぐるみティッシュケースが景品としてあった。
「あっ!これ可愛いー!!私の好きなキャラ!」
「へぇ~。良い歳してこんな可愛いの好きなんだ?」
「っ!うるさいなぁ!いいでしょ好きなんだからっ」
龍之介はからったあと、何度か左右からその景品の置き場所をのぞき込んだ。
「この手前にあるやつ、2回で落とせるよ」
「うそ!絶対無理でしょ~。強がっちゃって、こんなおっきいの取れないよ」
「じゃあ試してみる?これで」
.
麻衣が呆れてるとあくびをした涙目で龍之介は言う。
「でも、楽しめた?映画」
「えっ?あ、あーうんっ!かなり!」
「ん、ならいい」
「“ならいい”、って…」
……え?もしかして…私のために…?
わざと、面白い映画を選んで無理矢理でも連れてってくれたの?
「なぁ、さっきチケット買ったサービスで下のUFOキャッチャー一回無料券もらったんだけど」
「…………」
「おい、聞いてんのかよ?」
「あ、う、うん…」
どうしよう…
私のためだったら…すごく…嬉しいんだけど…
前を歩く龍之介の背中に隠れながら、こっそり火照る頬に手のひらを当てた。
エスカレータを下りて、UFOキャッチャーのコーナーに入った。少し薄暗くてガヤガヤしてるから、今の状態を紛らわすには丁度いい。
おまけに目の前には、好きなキャラのぬいぐるみティッシュケースが景品としてあった。
「あっ!これ可愛いー!!私の好きなキャラ!」
「へぇ~。良い歳してこんな可愛いの好きなんだ?」
「っ!うるさいなぁ!いいでしょ好きなんだからっ」
龍之介はからったあと、何度か左右からその景品の置き場所をのぞき込んだ。
「この手前にあるやつ、2回で落とせるよ」
「うそ!絶対無理でしょ~。強がっちゃって、こんなおっきいの取れないよ」
「じゃあ試してみる?これで」
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