金色・銀色王子さま
【10th room】あんたは俺の彼女ね
自信満々な龍之介が翳した無料券。
はなっから無理だと思ってる麻衣は、そんな龍之介を笑った。
「いいよ~やってみなよっ」
「あんた、信じてないでしょ」
「うん、もちろんっ。タダでもらえた券でそう簡単に落とせるわけがないって」
「じゃあ俺が2回で落としたら言うこと聞いてよ」
「なに?言うことって」
「俺と付き合って」
龍之介は引き換えたコインを入れた。
ポップな音楽が流れ出して、一番、二番のボタンが急かすように点滅を始めた。
一回目は、まるで感触を試すかのように簡単に調節してクレーンを落とした。狙いを定めたぬいぐるみは微妙に動いて他のぬいぐるみに寄りかかるような位置に行った。
特にリアクションもなく、龍之介は二回目のコインを投入した。
呟く龍之介は真剣な眼差しに変わった。
ある程度見極めてから一番を押して、離した。
「これで最後」
“2回で取れたら…俺と付き合って”
これが取れたら私は…
━━━━━━━タンッ。
「え?」
龍之介は二番のボタンを一瞬だけ押した。
持続して押さなければ左真ん中にあるぬいぐるみには届かないのに。
龍之介は後ろで見ていた麻衣にフッと笑いかけると、ポンと頭を叩いた。
「ふっ…冗談だよ。そんな顔すんなって」
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はなっから無理だと思ってる麻衣は、そんな龍之介を笑った。
「いいよ~やってみなよっ」
「あんた、信じてないでしょ」
「うん、もちろんっ。タダでもらえた券でそう簡単に落とせるわけがないって」
「じゃあ俺が2回で落としたら言うこと聞いてよ」
「なに?言うことって」
「俺と付き合って」
龍之介は引き換えたコインを入れた。
ポップな音楽が流れ出して、一番、二番のボタンが急かすように点滅を始めた。
一回目は、まるで感触を試すかのように簡単に調節してクレーンを落とした。狙いを定めたぬいぐるみは微妙に動いて他のぬいぐるみに寄りかかるような位置に行った。
特にリアクションもなく、龍之介は二回目のコインを投入した。
呟く龍之介は真剣な眼差しに変わった。
ある程度見極めてから一番を押して、離した。
「これで最後」
“2回で取れたら…俺と付き合って”
これが取れたら私は…
━━━━━━━タンッ。
「え?」
龍之介は二番のボタンを一瞬だけ押した。
持続して押さなければ左真ん中にあるぬいぐるみには届かないのに。
龍之介は後ろで見ていた麻衣にフッと笑いかけると、ポンと頭を叩いた。
「ふっ…冗談だよ。そんな顔すんなって」
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