金色・銀色王子さま
今日下ろしたコートが無ければとてもじゃないけど寒くて歩けない。
ギリギリで着いた電車に乗って一安心。
そんな遠くない距離だけど、電車の暖かさが助かる。
降りてすぐ缶チューハイをコンビニで買った。
明日に支障ない程度のほろ酔い系だ。
明るい道を選んで歩いてるつもりでも、冬の冷え切った空気に包まれた夜道は街灯の明かりの先はブラックホールみたい。
自分の歩く音が響くような気がして心なしかそれを楽しんでたり。
でもそれは30秒くらいで、すぐに後ろを歩く人の気配を感じた。
さほど気に止めなかったけどその距離が近づいてるのに、何となく足を早めた。
するとその足音も同じように早める。
“なんか変”そう思った麻衣は小走りした。
マンションまであと50メートル、明かりが見える。
その時だった
「っ!!!」
麻衣の視界は真っ暗に塞がれた
……………………
……………
……………
「正木さん、あんまり飲み過ぎないで下さいよ。奥さんに怒られますからね」
「わーかってるよ。龍之介、お前みたいなガキにはまだ言われたくないっつ~の。じゃあな」
龍之介は中年男性の体を途中まで支えると、繁華街に消えていく後ろ姿を見送った。
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ギリギリで着いた電車に乗って一安心。
そんな遠くない距離だけど、電車の暖かさが助かる。
降りてすぐ缶チューハイをコンビニで買った。
明日に支障ない程度のほろ酔い系だ。
明るい道を選んで歩いてるつもりでも、冬の冷え切った空気に包まれた夜道は街灯の明かりの先はブラックホールみたい。
自分の歩く音が響くような気がして心なしかそれを楽しんでたり。
でもそれは30秒くらいで、すぐに後ろを歩く人の気配を感じた。
さほど気に止めなかったけどその距離が近づいてるのに、何となく足を早めた。
するとその足音も同じように早める。
“なんか変”そう思った麻衣は小走りした。
マンションまであと50メートル、明かりが見える。
その時だった
「っ!!!」
麻衣の視界は真っ暗に塞がれた
……………………
……………
……………
「正木さん、あんまり飲み過ぎないで下さいよ。奥さんに怒られますからね」
「わーかってるよ。龍之介、お前みたいなガキにはまだ言われたくないっつ~の。じゃあな」
龍之介は中年男性の体を途中まで支えると、繁華街に消えていく後ろ姿を見送った。
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