金色・銀色王子さま
ビールを6杯…までは覚えてる。
香織の合コン話とか、年下が可愛いとか、元カレの話とか…。
男女はああだこうだ盛り上がって明日仕事だけど飲んじゃえーってなって。
うっすら目を開けると眩しい光が射し込んできた。白い壁に観葉植物。
あぁ、ここは部屋か。て、ことはもう朝で。
やってしまった…こないだ香織と飲んだときのように酔って寝てしまったんだ。
「起きなきゃ…」
頭ではそう思ってるけど飲んだあとの気だるさは寝てても辛い。
あぁ、なんてふかふかのベットなんだろう。
白くて…しかもいい匂いがする。
ちょっとタバコの匂いが鼻をかすめたけど。
タバコ吸わないから敏感なんだよね…。
…………ちょっと待った?
バッと両目を見開くと、自分をニッコリ見つめる顔がはっきりと見えた。びっくりして跳ね上がって、壁に勢いよく体当たり。
ふわふわの掛布団がバサッと舞った。
「おはよう、麻衣ちゃん」
「…な、な、なんでっ…」
驚きすぎると言葉にならない言葉がついて出る。目の前の不破カイトはただニッコリとベットに両肘ついて見つめてきた。
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