金色・銀色王子さま
「へぇ~じゃあ、麻衣さんは多香子さんの職場の同僚なんですか」
「同僚じゃないです、店長…いや、多香子さんは私の先輩なんで」
「へぇ~。多香子さん、すごいですよね!ネイリストで店長、おまけに美人さんだし~」
最初に会った無邪気な男の子はニコニコ愛想が良く、お酒が入るにつれ甘え上手な態度になっていく。
それがまた可愛いと思うのか、店長もまんざらじゃなさそう。
「俺と龍之介さんはバーでウェイターやってて、あっちの二人は俺の友達で。龍之介さんには、この飲み会付き合ってもらった感じなんですよ」
どうやら私と彼はお互い"付き合わされた"感じみたい。どうりで他の6人より盛り上がれてないのは私と…片桐龍之介だ。
お酒の代わりにウーロン茶しか口に出来なくてグラスを口に当てながら片桐龍之介をチラ見した。
「!!」
「なに?」
「あっ、目、目合うと思わなかったから…びっくりしただけです…はい」
本当は目が合っただけじゃない。
見透かそうするくらいの眼力にドキッとしてしまったのだ。
「あのさ、」
「…はい」
「今朝、カイトの部屋から出てきたでしょ?」
「!!!」
ビックリして口に含んだお茶を吹き出しかけて、慌てておしぼりを口に当てた。
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