金色・銀色王子さま
なななな、なんでそのことをっ…!!
「仕事から帰ってきたら、カイトの部屋からあんたの姿が見えたから」
「あ、あれはっその…酔ってて…」
「へぇー…酔ってて、カイトの部屋に行ってそのまま過ごしたんだ」
「ち、違う。そうじゃなくて…」
口角をフッと上げるだけの笑みを浮かべ、彼も同じくウーロン茶を飲んだ。
「否定しなくてもいいのに。別に驚かねぇし。あいつ、代わる代わる女招いてるしさ」
「いや、だから私はそれとはちがくて…」
「あんたもそうなんでしょ?カイトの女、"その1"。遊ばれてんだよ。なんで気付かねぇかな…どいつもこいつも」
彼の吐き捨てるような台詞。
まるで同じことをこれまでも他の子に言ってきてるみたいで。
思わず頭にきてしまった…
「きゃっ!!麻衣ちゃん!?」
「ちょ!!」
気付けば彼の顔に自分のウーロン茶をぶっかけていた。
その場は騒然。
いや…みんな固まって私たち二人を見ている。
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