金色・銀色王子さま
【3rd room】あんたはそうじゃないんだろ?
最悪の形で抜けてしまった合コンは、あれから片桐龍之介も黙ったままで気まずい雰囲気だったそう。
怒られるかなと内心ビクビクしてたけど、店長は変わらずあの年下くんといい感じだった様で。


「まぁ気にしないで。私が無理矢理誘ったのもあったしさ。しかし片桐くんと麻衣ちゃん、お隣さんだったなんてミラクルよねほんと。世間て狭いわ~」

「最低です。引っ越してまだ間もないけど…あんな人がお隣だなんて。会いたくない」

「すっごいイケメンなのにね~。でもあんなこと言うのってきっと何かあったからじゃない?」

ふとした店長の言葉に少しだけ自分がしたことに後悔した。


「すいません…合コン、台無しにしちゃって」

「いいのよ~。でも、そう思ってくれてるならお願い事ひとつあるんだけど、いい?」

「なんですか?」

店長のお願い事…なんか嫌な予感。
持っていたネイルチップのスタンドをそっと置いた。
マスク越しの店長の目が光っている。


「ちょっとだけ、着いてきてくれない?彼のところ」

「彼って…あの年下くんの?」


店長は宜しく、手で挨拶すると接客に入った。

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