金色・銀色王子さま
不破カイトは私達二人の前に来るとニッコリ笑った。
だからその笑顔は…ダメなんだってば。


「ってゆうか麻衣ちゃんには、"送る"というより"一緒に帰る"が正しいか」
そっと耳元に囁かれたもんだからびっくりして仰け反りそうになる体を店長が支えた。

「じゃっ、カイトくんお言葉に甘えちゃおうかな♪私は駅から近いけど、麻衣ちゃん一人じゃ危ないし?」

「いや、大丈夫だから!そんな危ない歳じゃないし。飲んできてください」

「気にすんなって~お隣さんの仲じゃん♪」

お酒が入った不破カイトは陽気になってるのか、両手を広げて抱きついてきそうになった。
それを間に入った片桐龍之介が止めた。



「……俺がこいつ送るよ」


え?いまなんて?


「カイトは明日休みだろ?朝まで飲んでこいよ」

「え?あっ…まぁ…じゃあ、麻衣ちゃん達は龍ちゃん に任せて飲んできちゃおーかなっははっ。」
不破カイトはそう言って片桐龍之介の肩をポンと叩いて手をあげると女子達に混ざって歩いていった。


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