金色・銀色王子さま
ーピーンポーンー
ーピーンポーンー
インターフォンが部屋に鳴り響く。
玄関まで行きたいけど物音がするお風呂場を過ぎなきゃいけない。でも恐くていけない。
「おい、いるのか?」
ドア越しに聞こえる声に涙が滲む。
さっき掃除したあと鍵閉めなきゃ良かった。
インターフォンが鳴らなくなり、お風呂場のドアが完全に開く。
もう恐怖で声も出ない。そう思ってた時だった。
「開けろ!ここ開けろ!」
振り向くとベランダに片桐龍之介。
裸足のまま、ガラス窓を叩いている。
「片桐…くん?」
自分の部屋のベランダに回ってこっちのベランダに上ってきてくれたんだ。
助けが来たことで涙がボロボロ溢れてくる。
「すげぇな部屋…おい、大丈夫か?」
「お、お風呂場にっ…」
掠れた声でお風呂場を指をさす。片桐龍之介は
躊躇いもなくお風呂場へ向かった。
無音の時間。一体なにがどうなったんだろう。
しばらくして、彼はゆっくりお風呂場から出てきた。
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