金色・銀色王子さま
「あんたさ…」

金色の髪から覗く真っ直ぐな瞳に吸い込まれそうになってつい逸らした。

「な、なに」

「彼氏いないでしょ?」

決めつけ?!いないでしょ、って!
そりゃ素っぴんでジャージで、猫が泥棒だと勘違いして泣き叫んで、部屋汚いけどさ!


「そ、それが何か問題でも?」

「いや、別に。その方が都合いいかなと」

「都合良いって…どうゆう意味?」
眉間に皺寄せて話してるのにおかしいのか、片桐は逸らした目が合うなりフッと吹き出した。


「あんたに気遣わず済みそうってことだよ」



どうゆう意味か分からず、首をかしげると片桐は顔色ひとつ変えず欠けたチューリップライトの花びらを拾って私に差し出した。



それはまるで、さっき見た夢と同じ景色と似ていて変に心がざわついた。




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