金色・銀色王子さま
先入観から、カイトはこうゆう自然とか風景とか全く興味ないと思ってたのに。
穏やかな笑みを浮かべるカイトの横顔はとても繊細に見える。
グレーの瞳に吸い込まれそうだ。
それを誤魔化すように話を切り出す。
「カイトはいつからこの街に住んでるの?」
「うーん、まだ一年も住んでないかな~。ずっと大阪に住んでてさ」
「え!そうなの?!全然関西弁じゃないけど…」
「ははっ、大阪住んでて関西弁じゃない人だっているっしょ!麻衣ちゃんは?」
「私?私はずっと東京だよ。もっと早くひとり暮らししたかったんだけど、親がうるさくて。やっと出来た感じ」
「親に大切にされてんだよ。それだけさ…」
足元の雑草をつまむ彼はだんだん小さな子供のように思えてきた。私よりもずっと背は大きいのに。
「……親の有り難みってさ、離れてから気付くんだよ」
そんな様子を感じ取ったみたいに景色は静かに穏やかな景色を保ったまま、私達を見守っていた。
なぜだろう。
こんな話のあとも沢山色んな事をカイトと話したのに。
ずっと笑ってたのに、胸が切なくなるのは。
「…そろそろ帰りますか、日も落ちるの早くなったし」
カイトは立ち上がると手を伸ばしてきた。
迷わずその手に手を合わせた。
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穏やかな笑みを浮かべるカイトの横顔はとても繊細に見える。
グレーの瞳に吸い込まれそうだ。
それを誤魔化すように話を切り出す。
「カイトはいつからこの街に住んでるの?」
「うーん、まだ一年も住んでないかな~。ずっと大阪に住んでてさ」
「え!そうなの?!全然関西弁じゃないけど…」
「ははっ、大阪住んでて関西弁じゃない人だっているっしょ!麻衣ちゃんは?」
「私?私はずっと東京だよ。もっと早くひとり暮らししたかったんだけど、親がうるさくて。やっと出来た感じ」
「親に大切にされてんだよ。それだけさ…」
足元の雑草をつまむ彼はだんだん小さな子供のように思えてきた。私よりもずっと背は大きいのに。
「……親の有り難みってさ、離れてから気付くんだよ」
そんな様子を感じ取ったみたいに景色は静かに穏やかな景色を保ったまま、私達を見守っていた。
なぜだろう。
こんな話のあとも沢山色んな事をカイトと話したのに。
ずっと笑ってたのに、胸が切なくなるのは。
「…そろそろ帰りますか、日も落ちるの早くなったし」
カイトは立ち上がると手を伸ばしてきた。
迷わずその手に手を合わせた。
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