金色・銀色王子さま
鞄を握る手に力がこもる。イキナリきて何を言うか…カイトはきょとんとしてるけど。
でもメールで言うより、直接言いたかったから。
「あ、えっと…」
「い、いきなりごめんね!今日、天気が良かったからさ!仕事しながらまた行きたいなぁ~って思って。帰る前に思い出して言いたくなっただけだから」
「いいよ」
「…え?」
反射的に顔を上げると、優しく笑うカイト。
「いいよ、サイクリング。一緒に行こう。麻衣ちゃん、金曜休みだっけ?今週、俺も休みなんだけどどう?」
「え、あっ、うん!あ、空いてる!」
それはもう予想外のお誘いオッケーに、頭真っ白。
「オッケ!じゃあ、金曜ね」
「うん、ありがとう!おやすみ…」
ーーーパタン。
そっと閉じたドアの前で小さくガッツポーズすると、自分の部屋のドアノブに手を掛けた。留守で暗い片桐の部屋が横目に入る。
『そんな可愛い顔、あいつのために向けてんのがすげームカつく』
『あいつはー…』
………気にしなくていいよね。
カイトのいつになく優しい笑顔見たら、そんな風に思えてきた。
.
でもメールで言うより、直接言いたかったから。
「あ、えっと…」
「い、いきなりごめんね!今日、天気が良かったからさ!仕事しながらまた行きたいなぁ~って思って。帰る前に思い出して言いたくなっただけだから」
「いいよ」
「…え?」
反射的に顔を上げると、優しく笑うカイト。
「いいよ、サイクリング。一緒に行こう。麻衣ちゃん、金曜休みだっけ?今週、俺も休みなんだけどどう?」
「え、あっ、うん!あ、空いてる!」
それはもう予想外のお誘いオッケーに、頭真っ白。
「オッケ!じゃあ、金曜ね」
「うん、ありがとう!おやすみ…」
ーーーパタン。
そっと閉じたドアの前で小さくガッツポーズすると、自分の部屋のドアノブに手を掛けた。留守で暗い片桐の部屋が横目に入る。
『そんな可愛い顔、あいつのために向けてんのがすげームカつく』
『あいつはー…』
………気にしなくていいよね。
カイトのいつになく優しい笑顔見たら、そんな風に思えてきた。
.