金色・銀色王子さま
ーーーーーーーーーカチャ。
ドアの閉まる音が耳に届いてから、カイトもドアのロックをそっとかけた。
「…………」
ゆっくり目を閉じて、フゥーと一息吐く。
いつまでもティシャツでいると肌寒く感じてくるからパーカーを探して羽織った。
部屋で一人過ごすのは久しぶりだ。
入れ替わり立ち替わり、女の子がいたから。スマホには相変わらず数人の子からの誘い。
いつもなら、なんとか合わせたり寝不足でも行ってたけど…
数日前の、久しぶりに見た番号からの電話
忘れたくても、忘れられないあの声
あれ以来、どうも誘いに乗れずにいた。
もしかしたら…って、どこかで期待してる自分に腹が立ってくる。
煙草の箱を手に取った。さっき中身を切らしてたことに持ってから思い出す。
いちいち、調子が狂ってる気がしてならない。
もう、電話なんてかけてくんな。
【莉奈】
深く沈むソファにカイトは持たれて、何もない天上をただ見上げた。
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