好きなんて、言えるかよ。
「きゃあっ……」
反射的にスカートを押えると
それはめくれなかったものの、私が被っていた帽子が飛んでいく。
やばいっ!
そう思って、走って追うと帽子は私より少し高い木の枝に
引っ掛かってしまった。
どうしよう……。
手を伸ばしても届きそうな位置ではない。
でも頑張れば届くかも……っ!
どうしてもその帽子をとりたい私は、思いっきり背伸びをして
帽子を取ろうとすると、
「バカ、危ねぇよ!」
高村が慌ててそう言った瞬間ー