好きなんて、言えるかよ。
びゅっとさっきよりも強い風が吹き放った。
グラりと体が傾いたと思ったら
私は下へと落ちていく。
ああ、もう最悪だ。
遠足の日に山から落ちるなんて
そうやってぎゅっと目をつぶり、痛みに耐えようとすると
ぎゅっと何かに包まれる。
その瞬間、
ダンー!
私は床に落ちた。
だけど……何か、おかしい。
落ちたはずの体に痛みが走らない。
疑問に思って目を開くと、そこには
私をぎゅっと包みこむように高村が倒れていた。