好きなんて、言えるかよ。
「手、血が……」
私をかばった時にすれたのか、すり傷が無数にできている。
そこからポタポタと血が垂れていて、痛々しい。
私は慌ててポケットからハンカチを出し、その腕に巻きつけた。
「ごめん……っ」
泣いていいのは私じゃないのに、
自分のせいでこんな怪我をさせてしまったのかと思うと
涙があふれる。
「本当にごめん、私のせいで……」
泣きながらそうやって言った時、
「うるせぇよ」
ぎゅっー。
高村は怪我していない方の手で
私のことを抱き寄せた。