好きなんて、言えるかよ。
「その時は解放してやるよ」
「なぁ、なんで沢村さんは
高村の言うこと聞いてんの?」
ホームルームを終えた朝の時間。
井上くんは私の所にやってきて、こっそりと聞いてきた。
遠足の時に、高村は正体をバラしたけど、
深いことまでは話さなかったもんね。
「弱みを握られてくるからだよ」
「弱み?どんな?」
そこまでは、さすがに言えなくて、
「秘密~」
なんて誤魔化すと井上くんは目を輝かせて聞いてきた。
「なに、なにまじ気になる!!」
「教えないよ~」
私がそう言うと、口をとがらせながら拗ねて、