好きなんて、言えるかよ。
控えめに手をヒラヒラさせて送り出すと咲は口を尖らせて
高村の方に消えていった。
ふぅ、危なかった〜。
気付かれたら最後!
私の安定した高校生活が終わってしまう!
そう思いながら女子に囲まれてる高村を、
チラリとだけ見て、教科書を出していると
先生が入って来て授業が始まったー。
「ここを代入すると、こうなるわけだが……」
何で高村は今更こっちの学校に戻って来たんだろう。
転校した時は、遠くの学校に行ったって言ってたけど。
でも3年も前の話しだ。
きっとたがが1年同じクラスだけの奴なんて覚えてないよね。