好きなんて、言えるかよ。
「うわっ……寝すぎた」
「もう〜寝すぎたじゃないよ〜!
高村くんが先生に呼ばれたから遅れるって言ってたよ!
本当、一緒にも帰るって彼氏かっ!」
「な……っ!変なこと言わないで!
怪我してるから仕方ないんだもん」
「はいはい。
まっ、私は今日彼氏様がお迎えに来てくれるんだけどねぇ〜」
咲こそ、ノロケじゃん……。
ルンルン気分で出て行く咲に手をふって
自分も帰る準備をすると、私は下駄箱に向かった。
帰りのピークが過ぎた下駄箱はガランとしていて
人がほとんどいなかった。