好きなんて、言えるかよ。


クツを履いて、壁によりかかりながら待つ 。


あとどれくらいなんだろう……

と考えていると


「仁菜」

上から誰かに名前を呼ばれた。


…………っ。


そもそも私を名前で呼ぶ人なんて

咲か誠くんぐらいしかいない。


それが男の人の声なら、絶対に誠くんしかあり得ないわけで……


「何?」

私はこの前、走って逃げてしまった事を思い出し

冷たくそう言った。





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