好きなんて、言えるかよ。
「何、してんだよ。」
目を開くと私の目の前に高村がいる。
すごく怒った表情を見せて
手を壁についていて
私に触れようとした誠くんを
遮るために壁を殴ったんだって分かる。
そして、手を下ろす誠くんに
高村は睨んで言った。
「先輩、コイツ俺のものなんで
いい加減関わるの、やめてもらえます?」
それは、とてつもなく低い声で。
普段見たこともないような怖い表情で。
どうして私のために、
彼がこんな顔をするのか分からなかった。