好きなんて、言えるかよ。



やっと止まった、と思っていたら……


私の疑問には答えずに、


「ムカつく……」


ただ、拳をぐっと、握りながらつぶやく。

何よ、それ……。


私が眉をひそめて見た時



「俺の時はすぐ嫌いになったクセに……」


彼は小さくそう言うと、そっぽを向いた。


え……!?
何、それ。

それって、どういう事……?


まるで子供が拗ねたみたいな表情を見せる高村に

もしかして……!と勘付いた事を口にすると


「誠くんと、張り合ってるの?」


「違げーよ!

何でそうなるんだよ!」




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