好きなんて、言えるかよ。



2つの足音が聞こえる。

そして、耳に入ってきた声は知っている人のものだった。


「授業サボらせてごめん。」


ピクっと反応する体に、

もしかしたら高村も気付いたかもしれない。


その声は、私が昔大好きだった人の声。

顔見ていなくても、分かる、


誠くんの声だった。


「誠……話ってなに?」


女の人の声もするという事は

たぶん、誠くんの彼女なんだろう……。


ここで彼女に、何を言うの……?


ドキドキしながら息をひそめて見ていると








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