好きなんて、言えるかよ。


ー!?!


ぎゅう。

高村が私を抱きしめる手を強める。


「ちょ……っ。」


慌てて高村から距離を取ろうとするけれど

高村は私にぐいっと体を近付けた。


嫌だ、何。

なんでこんなに密着してくるの。


高村の香りに包まれて、頭がマヒしていく。


そして、



「暴れたら大好きな先輩にバレちゃうよ?」


色気のある声を私の耳に流し込むと


「…………っ。」


私は誠くんの話に集中出来なくなった。



「あのさ、別れたいんだけど」


それでも、進んでいく会話。

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