好きなんて、言えるかよ。
「無理に決まってんだろ」
あれから……
彼は、パッと目を逸らすと
「帰る」
と一言いって、教室から出て行った。
残された私は放心状態で立っていて
誠くんが彼女と別れたということを
考える余裕さえ無かった。
そして、次の日の朝ー
「ちょっと仁菜〜!
さっきから呼んでるんだけど聞いてるの!?」
私は、咲の呆れたような声で我に返った。
「あ、ごめんっ……」
「もうどうしたのよ〜?
何かあったの?魂ここにあらずって感じじゃん!」