好きなんて、言えるかよ。



…………っ!?


「何言って……!」


「じゃなきゃ、この手は離さねぇ」


ぎゅっ、と握る高村の手は

振り切れそうにもない。


早く、行かなくちゃ

誠くんが心配だ。


だけど、

この部屋から出るには高村にキスをしなければいけない。


どうして……。

誠くんの方に行こうとする私も確かに悪い。

だけど……

何でこんな事、までさせる必要あるの……?


「ヒドイよ……そんな事言うなんて」



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