好きなんて、言えるかよ。
そして、彼は唇を離すと
「ほら、じゃあ行けよ……」
そうやって言い捨てた。
パシンーー
「最低……っ」
高村の頬を泣きながらビンタする。
「最低だよ、高村はそんな事しないって思ってたのに」
高村なんか、やっぱり嫌いだ。
優しいなんて、ウソ。
流れ出る涙を拭わずに
教室から出ていたため
聞こえるはずも無かった。
「優しくしたら、俺の事
好きになってくれんのかよ……っ」
高村がそうやってつぶやいていた事に。