好きなんて、言えるかよ。
高村side
【高村side】
「なぁ、高村って
沢村さんのこと好きなの?」
正体がバレた、遠足の日。
さっそく井上は俺に聞いてきた。
「ば、……好きなわけねぇだろ!
あんな奴!!」
「何だ〜沢村さんの時だけ
いつもと違う表情するから
好きなのかと思った」
腕を上で組みながら俺を見るアイツは
割と鋭い勘の持ち主だ。
「違う表情なんてしてねぇし
つか、あんなどんくさい女
好きになるヤツなんていねぇよ」
素直じゃない俺は、正直に自分の気持ちを伝えるのが苦手で
あの時もあいつを気付けた。