好きなんて、言えるかよ。
「ちょ、井上!!」
突然私たちの前に現れた井上くんは
話を全部聞いていたみたいで
「だって、簡単に言えばそうだろ?」
口を尖らせながらそんな事を言ってきた。
「あんたって本当デリカシーがないんだからっ!」
「だってよ〜そうじゃんか。
沢村の場合
昔、高村が好きだったとか
元カレが忘れられないとか
色んな複雑な感情があったから
意識しずらかったのかもしれないけど、
そういうのが一気に解けたら
この感情は当たり前のものとして出てくるんじゃないの?」
珍しく、井上くんが真剣な表情で言う。
私はその顔を見て、うつむくと