好きなんて、言えるかよ。
「どう?自分の本当気持ち、分かった?」
井上くんはニヤリと笑って聞いてきた。
「そんなの……!
分からないよ……っ」
だって、高村が好きだったのは前のことだし
今は、前と違くてもそんなこと考えたりしなかったんだから。
「本当、沢村さんも高村も素直じゃないなぁ。
じゃあ、俺からのアドバイス
泣いてた原因は何?
高村からパシリを解放されたのに
喜べなかった理由は?」
それは……
ーー少なからず、
高村を気にしている自分がいるから。