好きなんて、言えるかよ。
そう言って、私の頭を撫でて
去って行こうとする。
やっぱり、勝手じゃんか
人の気持ちも聞かないで
そんな言葉だけ残して去って行こうとするんだから
離れて行こうとする
高村の腕をぎゅっ、と掴む。
振り返った高村に
「あたしだって……っ
好きなんだから」
目に涙をいっぱい溜めながら伝えると
「は……?」
高村にはそう返された。
「私だって、好きなんだから!!
自分だけだって思わない……」
私がそこまで言った瞬間
ぎゅーー
私は高村の温もりに包まれた。