好きなんて、言えるかよ。
高村の言葉が……
クラスにいる高村のものと違う。
私がいつも見ている高村の口調だ。
周りはいつもと違う高村に、驚いているみたいで言葉が出ない。
「やりたくねぇからって
誰かに押し付けるのは違うんじゃねぇの?
コイツの意見も聞かずに話進めて
任された方の気持ちにもなって見ろよ。」
みんなは静かになって、うつむいている。
その中で私だけが、彼のことをしっかりと見ていた。
「そもそも立候補がいねぇんだ
自分がやりたくねぇ仕事を他のヤツがやりたいわけねぇだろ」