好きなんて、言えるかよ。


だけど、高村はどうしても呼ばせたいみたいで


「仁ー菜ーちゃん、呼んでみな」

グイッと私に近付いてニヤリと笑う。


完全に、私の反応を楽しんでるよね!!


仕方ないから、恥ずかしいのを我慢して

言おうとするけれど


「は……、」


高村がすごい期待したような目で見るから言いづらくなった。


最初の言葉だけで、かあっと赤くなってしまった私、


名前でなんて呼べるわけないっ!

と顔を隠すようにうつむくと


「……高村の下の名前なんか分かんないし……!」


思わずそう言った。


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