好きなんて、言えるかよ。


だけど、その時は優しく

待つよって言ってくれたんだよ。


そんな事を考えていると高村は


「やっぱムカつくな。」


そう小さくつぶやいてから、私にぐいっと顔を近付けた。


「なぁ、あいつとキスしたの?」


誰がそんな事、答えるもんか。

高村だけには言いたくない。


そう思って、顔を背けていると


「言えよ。」

さらに、彼は迫ってくる。


「高村には、関係ない……!」


近付かれた距離を必死に引き剥がそうとしたら


彼は、真剣な顔をして言った。

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