好きなんて、言えるかよ。




すると、誠くんから返ってきた言葉は


「そう、良かったじゃん」


それだった。


ああ、そうか。やっぱり……

私は期待してたんだ。


もうフラれているのに、

もしかしたら戻ってきてくれるかもしれない。

また寄り戻そうって言ってくれるかもしれないって思ってたんだ。


「じゃあね、仁菜」


そう言ってイスから立ち上がる誠くんを見つめる。

フラれた時に分かっていたはずなのに


私はもう一度フラれたような気分になった。










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