好きなんて、言えるかよ。


しかも、昨日の優しさは一切なし。


あっー。
そうじゃん、試してみればいいんじゃん。

私はこっそり笑ってうずくまると

肩を震わせた。


「……っえく、」


泣く演技。

我ながらうまいと思う。

さぁこれで優しくなって今日はいいなんて言っちゃったり……?


そう思っていると

ベシーー

「痛……っ!!」


とつじょ、頭に痛みが襲ってきた。

顔を上げてみると、高村が私にチョップを食らわせていて


「お前さ、こんなんで俺が引っかかると思ってんの?」

そんな事を言う。



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