好きなんて、言えるかよ。
私も普段はあんまり着ないワンピースを着てきた。
あとはこの帽子、
この帽子は実は……
「仁菜〜はやく、バス着てるよ〜」
「はーい!」
私はバスの前で呼ぶ咲に呼ばれて
急ぎ足でそっちに向かった。
「遅かったね、沢村さん」
うう……、顔を見るとニコニコと笑っている高村の表情。
これは完全に怒っている。
そ、そんな風に隠したって咲は知ってるんだからね!
高村を見ないフリをしてバスに乗り込むと
私は井上くんに挨拶をした。
「井上くん、今日はよろしくね!」
「おう!よろしくな」