MONOTONE
『白と黒』という題のこの物語を話してくれたのは、祖父だ。

厳格で孫にさえ優しい顔をしない祖父が、たった1度だけしてくれた物語。


祖父は、幼い僕を膝に乗せ、まるで独り言を呟くように淡々と話していた。

僕はよく理解できていなかった。祖父が話してくれる理由も、物語の意味も。

ただ‥
僕はなぜか忘れてはいけない気がしていた。
必死になって記憶に焼き付けた。

その物語を‥
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