愛ウタ
取り上げた後彼女を抱きしめてた。
彼女は抵抗しなかった。
『もう自分から命を絶とうとなんてしないでよ
あとを追って死んだら、彼は悲しむよ...
大事にしてよって
いつまでも待ってるからさって
きっと思ってるよ.....』
あんなに晴れていた空が涙流す。
俺と江崎の涙を隠してくれる。
俺の心を癒やしてくれた香りが風に混じって吹いていく。
いつの間にか清掃終了のチャイムまで鳴っていて
屋根の無い屋上は雨が降っているためか
誰も掃除しに来なかった。
できることならずっとこうしていたかったが
打ちつける雨に耐えられなかった。
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