君に届ける物語
君に届ける物語
僕が郵便を届けるとき、君はいつも外で待っていた。

晴れの日も、

雨の日も、

風が強い日も、

いつも、

いつも。

もちろん、毎日君に手紙が届くわけではない。

それでも君はいつも何かを待っていた。

僕から郵便物を受け取ると、それらを一つ一つ確かめて、残念そうに肩を落とす。

それが何だか申し訳なくて、僕はすみませんとつぶやいていた。


『あっ、すみません。あなたのせいではないんです!本当に、いつもお疲れ様です』


少し慌てたように早口でそういう君の様子がおかしくて、

思わず笑ってしまった。
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