浮気男よ、散れ
「やっぱり幻覚なのかな!?」
あわあわと口を震わせて言う私。
真知恵は『この子可哀想…』と言いたげな目をしている。
正しく同情の目。
「え~でもさ、三神君が七穂追ってったのは事実じゃん?
うちら、七穂が『花びらキャッチしてくる!』って馬鹿みたいに出て行った後、
『香山さんどこ行ったか知ってる?』って三神君に聞かれたし」
ゆっくりとしたトーンで証言したのは、
もう一人の親友、希美(のぞみ)だ。
因みに香山とは私の事。
香山 七穂(かやま ななほ)が私の名である。
希美までもが『馬鹿』と言ったが、そこはスルーするとして、
「それまじぃ!?」
力を込めて希美に聞く。