浮気男よ、散れ
つまりは、この1か月。
私が話し掛けようとする前に、他の女子が話し掛けて行ってしまう三神君を、
指を咥えながら見守っているという生活を送っている。
三神君自体私の存在なんて気づいてない様で、私に話しかけて来ることも無い。
1か月前のアレはなんだったのだろうか。
やっぱり皆から人気の三神君が私に告ってくれるなんて、
都合のいい夢を見ていただけだったのだろうか。
そうだ………あの三神君が私の名前と顔を知っていて、告白をするってのだけでもあり得ないのだ。
いつも美人さんからの告白を断っていた三神君。
そんな三神君が、告白すらされた事の無い平凡な私の存在を知って告白なんてあり得ない。
「うん、夢だったんだ。
それかアレは三神君に一時的な魔術が掛かって…」
ブツブツと言う私を親友たちは引き気味に見ていた。