浮気男よ、散れ
ん?
「三神君~帰ろっ!」
元気よく可愛く健気に、
女子に誘われた三神君は今日も教室を出ていく。
もう、あの時の事が『真実か?』と問われれば、自信を持って答えられない。
だってあれから一度だって私と三神君は話さないのだから。
だから『アレは私の都合のいい夢だったのだな』と心に片づけて、
いつも通り真知恵と希美と楽しく話す日々。
私に対して『馬鹿』と付ける部分は減らないけど。
チラッと見れば三神君は教室から出て行こうとしてて、
『さっさと逝っちまえ』と心の中で思った瞬間、
三神君の目の前……
詳しく言えば三神君の出て行こうとしたドアにガッと人が来て、
出て行こうとした三神君を塞ぐ形になった。
その人は他のクラスの人で、このクラスに用事があって入ってこようとしたらしい。
「うあ!ごめん!」
ぶつかる直前で上手く止まった2人。
三神君の隣にいる本日の日替わり定…女子は、
「ちょっ!邪魔だし!」と文句を言っていた。
『って……アイツ、割と頻繁に見覚えあるぞ?』と思った瞬間。
「あっ!七穂~~!お前、図書委員忘れてるだろ!!」
そいつは、大きな声で私を呼んだ。