浮気男よ、散れ
「希美、この馬鹿は自分の事すっかり人にあたって発散しちゃったから、
からかいがいも無くてつまんないよ。
そんな馬鹿は、ただの馬だよ!」
意味の分からない事を言っている真知恵。
「ちょっと待て!『馬鹿』は私の名前ではない事に気づこうか」
もう少しで頷いてしまいそうになったけど、私はギリギリで真知恵にツッコむ。
と……
クラスの女子が若干ざわついた。
パッと顔を上げる希美と、
目を光らせる真知恵。
私も釣られて見れば、
それはいつもと変わらない…ただ三神君が登校して来ただけだ。
でもその直後首を傾げた。
さっきまで暗かった女子や泣いてた女子が一斉に三神君へ近づき、
縋るような目をしているのだ。
なんだ?
このイエス様にご加護を頂きたいと訴えるような民は……
ん?そうするとイエス様は三神君………
流石は名前に『神』が入った男だ。