不器用男子の、恋。
同じクラス4年目と言っても、所沢とは殆ど話したことはない。
ていうか、緊張してずっと話し掛けられなかったんだけど。
ずっと見てるだけだったし、これからもそうだと思っていた。
なのに、いきなりのホームラン!?
これが喜ばずにいられるかっつーの!
もう、所沢を好きな気持ちを抑えなくてもいいんだ!
「聞いてくれてありがとう……」
所沢は今にも泣きそうな表情でぽつりと呟くように言う。
……ん?何で泣きそうな顔してんだ?
「告白しておいてアレなんだけど、これからも……今まで通りでいてもらえる?」
「!?」
はぁ?何でそうなるんだよ?
両想いってわかったのに、今まで通りに戻ってたまるかよ!
「嫌。ぜってぇ、嫌。」
「!……そ、そうだよね。ごめんね?」
いや、だから、泣きそうな意味がわかんねぇ。