ヒーローの缶詰

「じゃあさ、子供のころ好きだったヒーローのことをどう思う?」


「そうだね…、うーん、ものすごく憧れてたなぁ~。
中学生になったら、私もきっと、美少女戦士になれるって信じていたしさ。
だから、セーラー服着たかったし、おもちゃのステッキも、どうしても買って欲しくって駄々こねてたしねぇ。」

懐かしむように語っていた春日野に、

「"美少女"とはあつかましいな。」

なんて、晃は笑いながら言った。

「変身したら誰だってなれるのよ!」

なにやら二人がじゃれあい始めたので、


ものすごく恥ずかしいです、俺。





「結局、"カッコいいから"とか、"可愛いから"とかで憧れるものだろ?今の子どもだってそうじゃないか?」


晃はそういうが、俺は納得いかない。


「ん~、俺は、カッコいい違いだと思うんだよな。」



いつも、最初に頭に浮かぶのは、ヒーローたちの顔でも、台詞でも、必殺技でもない。










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