私の家のお隣さん。

「本当にごめんなさい!いないと思ってインターホン連打しちゃって」

「あら、それは、流石に先生も怒るわよ」

うう、意外と厳しい人。

「でもまあ、謝ってるし、先生も許して差し上げたらいかがですか」

「……うん、で、なんの用」

許してくれたらしく、少し柔らかくなった声に安心して用件を切り出す。

「これ、間違ってあたしのポストに入ってて…」


「え!先生!これ!」

私が差し出した封筒をみて、女の人が驚いた声をあげる。

「…ああ」

頷いた声がさっきより明るくなって、私の手から封筒を受け取って確認する。

「じゃ、じゃあ、わたしはこれで…」

部外者がその場にいるのが悪い気がして立ち去ろうとした。


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