私の家のお隣さん。
途端にゆがんだミドリさんの顔に、不安を覚える。
「先生はね、今、締め切り前でピリピリしてるっていうのもあるけど、…なんていうの、押し付けがましいっていうのかな、自己満足な好奇心、そういうのが好きじゃないのよ」
その言葉に、思わずムッとなって言い返そうとする。
「…私は、純粋に…」
「うん、わかるよ。私もね、よく本屋でそういう出会いをすることがあるの。でもさ、普通の読者って、作家に直接感想を伝えることってできないわよね」
遮られて、さとすように言われる言葉に頷く。
「そういうところも、先生は嫌だったんじゃないかなあ。…まあでも一番リホちゃんにそう言われたことで突き放しちゃったんだろうけど。」