私の家のお隣さん。
「君のことが、好きです。」
まるで童話の王子様みたいに、手を持って、そこにキスをした。
ツーっと涙がつたったかと思うと、どんどん溢れ出て止まらなくなった。
「…よがっ…だ」
彼は立ち上がって、私を抱きしめて頭を軽く撫でてくれた。
「…君の気持ちは、もう伝えてもらったからいいか」
そう言ったかと思うと、彼の顔が近づいてきて。
唇を塞がれた。
優しく噛みつかれて、彼の腕を思わずつかむ。
「…止まったね。」
しばらくして彼が離れると、そう言った。
「笑って。君には笑っていて欲しい。 」
微笑んだ彼に向かって頷いた。
「…はい!」
周りから距離をとっていた自分が、彼の本と出会って、彼と出会って、少しだけ変われた気がした。
前を向く。
笑うと、笑い返してくれる笑顔がとても眩しかった。