愛に溺れ、濡れた心
それから数時間後ーーーーー





飲み会帰りの莉紗は電車に揺られていた。





軽い気持ちで行ったのが良くなかったのか、話の内容はつまらないし、軽くセクハラはされるし……行かなきゃよかったと後悔。





でも、久しぶりにお酒をたくさん飲んでちょっと爽快かな?なんて思ってたのに……







電車から降りると、急に気持ち悪くなってホームの椅子に座った。





(あ、つい実家じゃなくてお兄ちゃんのマンションの駅に来ちゃった……)





母と顔を合わせずらいが、かと言ってずっと涼のところに居座るわけにもいかないかな…






酔った頭で考えながら俯いていた。





(あぁ…気持ち悪……こんなところで吐くわけにはいかない…早く立ち上がらなきゃ…でも…お兄ちゃんのマンションに行っていいのか……)






動けずにいると、頭上から声をかけられた。




「大丈夫ですか?すごく酔ってるみたいだけど。」




若い男の子の声。
ナンパ?




「いえ、大丈夫です…」




あまりそちらを見ないようにしたのだが……







それから数十秒後、私の目の前に何かが差し出された。




「はい、水。飲んだ方がいいよ。」




驚いて顔をあげると先程と同じ人だった。
すぐ近くの自販機で買ってきてくれたのだろう。




「あ、ありがとう…ございます…」





ナンパなんて思って悪かったな…
素直に水を受け取ると、ゆっくりと喉に流し込んだ。


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